亀山郁夫先生の講演会「反性的悲劇-ドストエフスキー『白痴』の謎」を札幌大学で開催した。
大学の夏季休業期間、しかも平日の午後という条件だったのだが、多数の聴衆の方にお集まりいただき、教室もほぼ満席。イヴェントの広報担当としては胸をなでおろすことができた。
さて講演だが、タイトルから察するにロゴージンと去勢派の関わりについての江川卓の議論を継続するのかと思いきや、ナスターシャの遺体、さらには暖炉にくべられる札束の身体的な意味を問うもので、精神分析的な解釈と言うこともできるだろう。授業であまりなされることのない踏み込んだ解釈に出会った学生たちにとっても、刺激的なものだったのではないだろうか?