リマインダー
2年生ゼミの学生を連れて、天神山アートスタジオに行く。大学からもっとも近いアート施設かもしれない。
イギリスのアーティストだというミリアム・メグの「リマインダー」展が開催されていたので、それに合わせての訪問。
作者はアルジェリア人とブルガリア人を父母にもつイスラム教徒の女性なのだが、デジタル時代の宗教と北海道の生活を主題とした一連の絵画が展示されていた。イスラム教の象徴ともいえる月、メッカの位置、さらにはクルアーン(コーラン)がスマートフォンの中に表示され、一方で月は海の満ち引きをつかさどり、また牡蠣の記憶を呼び出す。
デジタルメディアの中にも自然の中にも聖性は宿り、イスラムの世界観は極東の自然の中にも浸透している。聖と俗、国や民族の境界が霞み、私たちを包む宇宙の脈動に気づかされる。