開拓の遺産
札幌の学生を鹿児島に連れて行く前に、市内で保存されている開拓の遺産や記念碑をめぐった。北海道開拓使は薩摩閥だったので、屯田兵も炭鉱もサッポロビールも薩摩藩士による事業である。
北海道開拓100年記念事業の反省から、開拓の顕彰が批判されている北海道なのだが、「触らぬ神に祟りなし」と忌避するのはよろしくない。たとえば、札大のエントランスの北海道150年の展示は、150年前に焦点を当てるがゆえに島義勇による札幌市の設計で終わってしまっているのだが、それ以後の150年間を無かったことにしてしまってはまずいだろう。囚人労働や朝鮮人連行、アイヌ差別など影の部分も含め、批判的に学んでいかなければなるまい。
やはり鹿児島では北海道と違い、「島津斉彬の先見の明と西郷隆盛らの活躍により日本は植民地化をまぬがれた」という理解が根深いのだが、今回の旅は北海道からの参加者に沖縄出身の学生がいたので、ナショナリズムを相対化しやすかった。
豊平館。
永山武四郎邸。
清華亭。
琴似屯田兵屋。
エドウィン・ダン記念館。