北海道@ユジノサハリンスク

 学生の引率で行ったサハリン大の語学研修から、帰国しました。今朝の北海道新聞7面の「北海道@ユジノサハリンスク」欄に、この研修についてのコルスノフ・サハリン大教授のインタビューが掲載されています。インタヴューでは触れられていませんが、これはモスクワ大の主導した企画で、ロシアの極東重視政策の一環であることが修了式でも強調されていました。

 前任校の稚内北星学園大学に勤務していた時は、2010~12年まで日本の外務省による北海道とサハリンの学生交流の引率や受け入れに携わっていたのですが、今回はロシア側のイニシアティブによる研修に協力することになりました。両政府それぞれの思惑はさておき、学生たちの将来の活躍の場が増えることを願います。

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 サハリンからの帰国はユジノサハリンスク市役所のマチューヒナさんと同じ便だったのですが、9月16~18日の旭川市・食べマルシェにユジノサハリンスク市が出店するそうです!!(なお、16日には札幌大学で、諫早先生の科研の研究会もありますし、北海道文学館ではチェーホフ展が開催中です)

お別れ会

 サハリン大でのロシア語研修も終わりが近づいている。昨日は「お別れ会」というプログラムがあったのだが、これは宴会ではなく発表会だった。

 日本人の学生が学習の成果(ロシアの歌や「大きなカブ」の寸劇)を披露し、サハリン大の学生たちも余興のゲームを運営したり、ダンスを見せたりしてくれた。

 その中に「はぎれ人形作り」のコーナーもあり、私は日本の学生たちを「人形作り」という魔術的な世界に誘導していたのだけれど、終了後に余った布をもらい、サハリンの学生たちのダンスを観客席で見ながら、自分でも作ってみた。この種の人形を作るのはこれが2回目、講習会の通訳も入れたら4回目なので、もう慣れたものです。

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アニワで竹馬

 昨日はサハリン州議会の選挙だったようなのだけれど、日本の学生たちはアニワ湾でバーベキュー。

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 食後には民族舞踊やゲーム(「材木の上に乗って、枕で相手を叩き落す」といった、日本でも学校レクに登場しそうなもの)の時間があって、楽しく過ごせた。

 天気も良く、男子学生たちはモスクワ大のボゴモーロフ先生と一緒に海水浴をしていた。ゲームを仕切っていたオリガさんが綱引きで膝を痛めるというハプニングもあったのだけれど、大丈夫だっただろうか?

 私は写真係に徹していたのだけれど、ロシアではホドゥーリと呼ばれる竹馬が登場し、日本の学生が全員竹馬に乗れるとも思えなかったので、それだけは楽しませてもらった。

レーニン広場のアニ・ロラク

 ユジノサハリンスクは135年祭なのだそうで、土曜日はレーニン広場でも、たくさんのイヴェントがあった。
 まずは市内のいろいろな団体が参加したパレード。日本人学生もサハリン大の列に混じって行進をした。私はモスクワ大の先生たちと共に、角帽をかぶってガウンをまとうことに。
 夜はウクライナの歌手アニ・ロラクのコンサートがあり、それから花火が打ち上げられた。
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サハリンのスパスカヤ塔

 サハリンの語学研修も折り返し点。学生たちは朝、3班に分かれて日本語を学んでいる学校3つを訪問した。

 私は勝利通りの2番ギムナジウムに行く班に同行した。ここを訪問するのは2度目で、前回の訪問時には音楽教育がアピールされていたのだが、実は外国語教育に力を入れている学校でもあったらしい。

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 ロシア語の授業の後に待っていたのは、勝利広場で開催された軍楽隊の祭典「サハリンのスパスカヤ塔」。なぜ「スパスカヤ塔」なのかと思ったら、そういう名前の軍楽隊のフェスティヴァルが、モスクワで開かれているんだね。

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サナトリウム「レスノエ湖」

 「レスノエ湖」というサナトリウムに行った。2つの湖に挟まれた場所にある施設だが、札幌オリンピック用のトレーニング施設として1964年に作られたのが始まりだそうだ。

 出発前は「もう湖はいい」と愚痴をこぼしていた学生たちも、景観の美しさに圧倒され、大満足のようだった。本当に心安らげる場所だった。

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今村さんと伊藤さん

 今日の午後はユジノサハリンスク市役所と日本総領事館の2ヶ所に表敬訪問する学生たちの同行したのだが、市役所では稚内の今村さんや伊藤さんと偶然再会したのであった。

 稚内での経験がなければ、今回の学生引率はもっと大変なものになっていただろう。職場や住所を変えても、それまでの経験は財産になるし、過去の生活も続いていくのだろう。

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