ハリネズミを買う

 娘がずっとほしがっていたハリネズミを買った。中学校もストレスがたまるだろうから、心の癒しになってくれればいいと思う。

 中学校は想像以上に大変だ。まだ入学してひと月で、娘は楽しそうに登校しているのだが、親の私の方は気持ちが折れかかっている。

 スポーツや勉強が忙しいというのは当たり前のことなのだが、生徒会活動もかなり時間を取られるものであった。下校時刻も想像以上に遅い。同じ市内でも下校時刻がもっと早い中学校もあるようなのだが、どうなっているのだろう?

 北海道の高校入試は内申点の占める割合が異常に高い。しかも、私が子供だった頃と違い絶対評価で、定期テストの点数の他に日常の学習態度を加味することになっている(これは国の改革によるもので、全国どこでもそうらしい)。また、北海道の公立高校入試には裁量問題という難問が含まれていて、その難しさたるや共通1次の数学が満点だった私にも解けないほどである。

 先生の顔色をうかがいながら内申点を上げ、塾や模試に明け暮れて一流進学校に入学するというのが世間の求める路線のようなのだが、不毛なゴマすりや受験勉強に10代の貴重な時間を割くというのはちょっと悲しい。スキーの成績がもっと良ければ、強豪校にスポーツ推薦という選択もできるのだろうが、そういう世界にもまだまだ遠い。

 結局のところ、「真面目に努力していれば、誰か見ていてくれる人はいるでしょう」と目先の結果を求めずに日々の努力を重ねることになる。ペーパーテストの点取り競争や相対評価を排除すると、そういう大人の社会と同じ諦めの境地にたどり着いてしまうというのは、何だか皮肉だ。まあ、娘は昔の中学校を知らないので、私のような無力感には陥らず、今の中学生活をエンジョイしている。それだけが救いだ。f:id:kazuhisaiwamoto-su:20180502231406j:plain

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