メイエルホリド殺し

 明日の1校時はエヴレイノフとメイエルホリドの話をするのだけれど、「そうだ、札大でそういう授業をするのであれば山口昌男さんに触れなくては」とはたと気づき、「メイエルホリド殺し」を読み直した。
 マンデリシタームが詩人ではなく散文作家になっていたり、メイエルホリドがやや英雄的すぎるんじゃないかと思ったりもする。同時代人がメイエルホリドを「独裁者」と非難したのは決して根拠のないことではなかっただろうし、社会から抹殺されることには惨めな側面もあるはずなのだ。
 とはいえ、「スケープゴート」という神話的な骨組みががっしりと作られていて、それがロシア・アヴァンギャルド芸術の動向についての実に詳しい記述で充満させられている、何とも迫力のあるテクストだ。こんな文章が活字になったということはやはり、ロシア・アヴァンギャルドに対する強い関心、その熱気が当時の日本で広く共有されていたのだろう。
 このテクストを収めた『歴史・祝祭・神話』が刊行されたのは1974年。水野忠夫マヤコフスキー・ノート』は1973年。小平武訳のリペッリーノ『マヤコフスキーとロシヤ・アヴァンギャルド演劇』は1971年。すでにこの世を去った人たちの先駆的な仕事を、若い人たちに語り継がなければ……それはまだ生きながらえている私たちの使命だろう。
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