メルモス200年

 2020年はオリンピック・イヤーなのだが、それを忘れたかのようなあまりにも文学的なコラムを書いてしまった。実は今年は、マチューリン『放浪者メルモス』が刊行されてから、ちょうど200年になるのである。

 その文学的影響の広がりについて、プーシキン『エヴゲニー・オネーギン』、ナボコフ『ロリータ』、バルザック「神と和解したメルモス」を例に語っている。去年の秋に『オネーギン』を授業で取り上げた際に、考えていたことなのだが。

 岩本和久「メルモス200年」『北海道新聞』2020年1月20日夕刊、4面。