天地創造紀元

 新元号「令和」になり、暦に関心の集まる日本なので、ピョートル大帝の時までロシアで使われていた「天地創造紀元」(天地開闢暦)についてコラムを書いた。

 岩本和久「天地創造紀元」『北海道新聞』2019年5月13日夕刊、4面。

 キリストの誕生ではなく旧約聖書天地創造を始点とする暦で、その7208年の翌年を、ピョートル大帝が西欧に合わせて西暦1700年とした。ただ、この時、西欧に合わせたのは年の数え方だけで、月日の方は西欧のグレゴリオ暦を採用しなかった(ユリウス暦を使い続けた)のである。他にもいろいろ例は挙げられるのだが、ピョートル大帝の西欧化というのは、このように中途半端なのだ。