ゴーゴリが古典になるまで

 東大スラヴ文学研究室の年報『SLAVISTIKA』に書評を掲載した。

 岩本和久「大野斉子著『メディアと文学 ゴーゴリが古典になるまで』群像社、2017年」『SLAVISTIKA』XXXIII/XXXIV、2019年、193-197頁。

 編集サイドから依頼された仕事なのだが、誠実に取り組んだつもりである。その分、厳しいことも書かざるを得なかった。端的に言えば、「ラジカルなようでいながら、反動的な著作なのではないか」という疑いをぬぐえなかったのである。

 ただ、自らが権威主義に依存していることに無自覚な人も多いので、「都会の若者のノリについていけない、田舎のおじさんのボヤキ」みたいに受け止められて、等閑に付されるだけのような気もする。