Портфолио учащегося

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 中1の娘が学習ポートフォリオを作っていたので、「中学生から!?」と驚いたのだが、どうも今年度から学習指導要領が変わり、「主体的・対話的で深い学び」を目指すこととなり、その「主体的」な部分を支えているのがポートフォリオ作りらしい。

 新学習指導要領については、文部科学省の次のpdfが分かりやすい。「自らの学習をまとめ振り返り、次の学習につなげる」というのは、ポートフォリオ作成そのもの。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/10/24/1397727_001.pdf

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 ところで、ロシアの学校はどうなっているのだろうと思ったら、何と小学生用のポートフォリオが市販されていた。しかも、多色刷りでイラストもたくさんついていて、とても楽しそうなのだ。

 いつの間にか世界はどんどん変わっている。高校入試も変われば中学校生活が内申点稼ぎに支配されることも終わるはずだ、本当に大切なのは5段階評価の数字ではなくポートフォリオに読み取れる生活なんじゃないか、と思ったのだが、いろいろ調べているうち、この1月に中教審の報告(児童生徒の学習評価の在り方について)が出ていたことを知った。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/gaiyou/__icsFiles/afieldfile/2019/01/23/1412838_1_1.pdf

 「中学校の途中まで成績が不振であった生徒が学習改善に取り組んだ場合でも、それまでの成績が入学者選抜において考慮される場合、成績不振だった期間が調査書に影響し、高等学校入学者選抜時の学力が十分評価されることが難しい」、「中学生が、入学時から常に『内申点をいかに上げるか』を意識した学校生活を送らざるを得なくなっている」、「各高等学校の教育目標の実現に向け、入学者選抜の質的改善を図るため、改めて入学者選抜の方針や選抜方法の組合せ、調査書の利用方法、学力検査の内容等について見直しを図ることが必要」、「調査書の利用に当たっては、そのねらいを明らかにし、学力検査の成績との比重や、学年ごとの学習評価の重み付け等について検討することが必要」、「児童生徒一人一人をきめ細かく評価するためには、『観点別学習状況の評価』を活用することが重要」と明記されている。

 国も問題を認識している。であるならば、中学3年間ずっと内申点稼ぎに追われる北海道の高校入試が、このままの形で永遠に続くことはないだろう。高校入試に中3の評定だけが使われる東京と違い、北海道では中1、中2の評定も使われてしまうため、中3になって心を入れ替えて勉強したとしても、「もう手遅れ」と言われてしまうのだ。また、ボランティア活動やスポーツの成績をポートフォリオに書かねばならないわけだが(ロシアのポートフォリオにもそういう頁はあるし、アメリカだって同じだろう)、そういう課外活動よりも塾通いが優先されてしまう。

 「失敗から学ぶ」ことの許される学校、溌剌とした毎日を過ごせる学校が、早く実現しますように。