大停電

 台風の次の夜に胆振東部地震があり、道内全域が大停電してしまった。何が起きたかよく分からぬまま朝を迎え、ラジオに使う乾電池を求めてコンビニに行ってみたら、もう売り切れていた。

 スマートフォンの電波状況がだんだん悪くなり、ニュースサイトも見出ししか読むことができない。それも経済通産大臣が「昼までに停電を終わらせる」という話があるかと思えば、「復旧には最低でも1週間かかる」という北電の話もあり、いったい何が本当なのかよく分からない。

 大学に近い西岡のホーマックにも長蛇の列。

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 このあたりで担当している学生や同僚と連絡を取らねばと思ったのだが、電波がいよいよ悪くなり、電話もうまくつながらなくなってしまった。ラインは比較的よく読めたのだが、なぜか書けない。避難所が市内に12ヵ所開設されたとNHKは報じるのだが、それがどこなのかも不明。

 この日は自宅のキッチンが停電で使えず、ガスコンロも入手できなかったので、冷蔵庫の中にあったカルビ肉や金目鯛をバーベキューコンロの炭火で庭先で焼いた。断水も起きなかったし、避難所は食料が不足ぎみという情報も流れていたので、自宅で過ごしたのは正解だったと思う。

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 翌7日は札幌駅に行った。JRが止まり、8日に予定されていた釧路出張がキャンセルになったので、切符の払い戻しの手続きをせねばならなかったのだ。新千歳空港行の列車だけが動いていて、運転再開を待つ人たちが通路脇にたくさん座っていた。「みどりの窓口」は閉まっていたが、駅員さんにスタンプは押してもらえた。これでひと安心。翌日の特急の運行が急に再開されたとしても、払い戻しはしてもらえるだろう。

 それにしても、出張の精算手続きというようなサラリーマン的な業務をYシャツ姿でしなければならないというのは、いわゆる「被災」のイメージとはずいぶん違う。大災害と日常が奇妙に同居している。

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 政府の話では、この日のうちに道内の8割の家で電気が復旧するということだったのだが、我が家は夕方になっても何も変わらない。美園の望月湯が営業しているという情報がフェイスブックにあったので、家族を連れて行った。ありがたかった。自分はもう少し我慢することにしたのだが。

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 スキーの大先輩からガスコンロをお借りすることもできたので、この日の夜はスーパーで買ったサンマを焼き、暗い室内で食べた。食べ終わった後になって、ようやく電気が回復した。

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 8日は土曜日。出張がキャンセルになったので、九州に帰る義母を新千歳空港に送った。7日の昼まで空港が閉鎖されていたので、搭乗手続きのカウンターにはとても長い列ができていた。

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 節電のために1、2階以外が閉鎖されていて、冷房も入っていないので、とても暑い。ターミナルで唯一営業しているローソンにも長蛇の列。

 一方、帰り道に寄った里塚のスーパー「ビッグハウス」は、それほど混んでいなかった。ほとんどの品は売り切れていたが、それでも豚肉や干物を買うことはできた。

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 日曜日の今日はニセコトレイルランニングをしていた娘がアイスクリームを食べたいというのだが、昨日まで乳製品は店頭に並んでいなかった。物流と関係のない場所ならと思い、月寒の八紘学園の直売所に行ってみたら、きちんと営業していた。夕方だったので牛乳は売り切れていたが、ソフトクリームとレタスは買うことができた。

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