「樺太引揚者像」の検討

 昨日の夜は北大のスラブ・ユーラシア研究センターで、「サハリン・樺太から北海道への引揚げ―『樺太引揚者像』の検討―」と題した講演を聞いた。講師はセンターの助教のジョナサン・ブルさん。話の中心は、1948年に函館引揚援護局が行った引揚者の座談会の記録の分析だった。

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 ブルさんはオックスフォード大学を卒業後、英語教師として枝幸町に滞在し、その時に樺太出身者の女性と話したことがきっかけで、このテーマに関心を抱くことになったのだという。私も枝幸のある宗谷地域に20年以上住んでいたので、そういう話を聞くと感慨深い。

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 今回の報告ではさほど触れられていなかったが、札幌の樺太出身者は講演のあった北大近くの北24条や私の家から遠くない月寒に居住することになったという。ふだん意識することはないが、やはり私たちの生活圏との強い結びつきを感じる。そんなこともあってか、講演には60人くらいの聴衆が来場していて大盛況だった。