オリバー・ストーン オン プーチン

 『オリバー・ストーン オン プーチン』(文藝春秋、2018)の書評を書いた。

 岩本和久「オリバー・ストーン オン プーチン」『北海道新聞』2018年3月18日、13面。

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 ロシアの大統領選挙に合わせたかのような書評の掲載なのだが、原書の刊行、翻訳、書評の執筆、掲載という手順を追っていたら、そういうことになったというわけだろうから、神様のいたずらだ。

 「権力者への忖度」や「放送法からの政治的公平条文撤廃」などが話題となる安倍政権下の日本なので、本書で語られているようなロシアの問題も対岸の火事ではない。

 一方で、たとえばチェチェン紛争にしても、私たちはベトナム戦争のようなイメージで、大国の残虐な軍隊に少数民族のゲリラが抵抗していると考えてしまうわけだが、アメリカ政治を批判するオリバー・ストーンには、ベトナムアフガニスタンに介入したアメリカが今度はチェチェンに手を出している、と感じられたのかもしれない。