アルマーニの制服

 昨日、娘の中学校の制服を注文しにデパートに行ったのだが、今朝の『北海道新聞』には、背が伸びたのに新しい制服が買えず、不登校になってしまったという中学生の話が載っていた。

 銀座の小学校の8万円もするアルマーニの制服が高すぎると国会でも話題になったようだが、あれは全部セットで買った場合である。うちの子の制服も冬服だけでなく、夏服も、ブラウスも、と次々、買っていけばそのくらいの値段になるようだ。

 北海道新聞によれば、メーカーや販売店を増やすよう公正取引委員会から指導が入っているらしい。ただ、札幌は競争入札ではなく、いろいろなブランドから選べるようになっているので、むしろ購入者の支払う額は上がっているように見える。学校説明会で大量のチラシが配布され、何が起きているのか分からず、途方に暮れた。競争入札にして一社を選ぶとしても、それなりのブランドが並んでいるわけだから、価格はさほど下がらないかもしれない。

 価格の上限を決めてそれに応じるメーカーを探せば、価格は下がるのだろうが、3年間耐用できる品質のものでなければ学校現場が混乱するだけだろうし、メーカーの労働者を酷使するのも問題だろう。

 現実的に制服は清貧の世界ではなく、ランドセル同様、贅沢なブランドの世界になってしまっているのだから、少なくとも公立校では、もう廃止した方が良いのではないか。アルマーニ騒動を見る限り、子育てと遠い場所にいる大人たちは、その事実に誰も気づいていないように見える。