雑誌のオーラ

 大晦日になってようやく、『スキージャーナル』休刊のニュースを知った。広告記事の多い雑誌で、それなりに安定しているのだろうと思っていたから、仰天した。

 10年くらい前までは私も熱心な読者で、定期購読もしていた。ふと2004年12月号の目次を見てみたのだが、今でも心が躍る。木村公宣と上林卓司の対談、ワールドカップのレポート、指導員検定のポイント解説、ドラマ「ラストクリスマス」の制作秘話……でも、一番面白かったのはアイスランド紀行だな。

 いつしか『スキージャーナル』から、そういう興奮を感じることがなくなった。図書館でルーティンワークとして、飛ばし読みするだけになった。バックナンバーの目次をたどると、その分岐点は2010年だ。ある種のオーラ(アウラ)が消えて、実用的な技術解説ばかりが目立つようになってしまった。

 だから、紙のメディアの時代が終わった、というだけの話ではないように思う。

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 大晦日は夕方、オーンズに行った。急斜面を黙々と滑った。

 景色が良かった。石狩湾は波がなく、増毛連峰がはっきりと見えた。スキー場にはちゃんとオーラはあるのだ。

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