黄金の手

 今年の秋はチェーホフサハリン島』関係の行事が続いたのだが、その中で知ったソフィヤ・ブリュフシテインについてコラムを書いた。

 岩本和久「黄金の手」『北海道新聞』2017年12月20日夕刊、4面。

 19世紀の女詐欺師で、シベリア送りにされても2度も3度も脱走するものだから、最後にはサハリンへ島流しになったという人。サハリンを訪問したチェーホフも彼女に会っていて、そのことを『サハリン島』の中に記している。

 彼女を主人公にした「ソーニカ 黄金の手」というテレビ・ドラマが2007年に作られていて、2010年には続編も放映されたのだそうで、そのせいか彼女に関心を寄せるロシアの人は多いようだ。チェーホフ関連で訪れた博物館や講演会では、その名前を何度も耳にしたのだった。