50歳の同窓会

 皆さん50歳なので、ということで、中学校の同窓会が開催された。稚内という辺地の暮らしが長く、同窓会には縁のなかった私なのだが、札幌に越してきて故郷との距離も少し近づいたし、子どももスキーチームを移籍してあまり手がかからなくなったので、何十年ぶりかで顔を出してみた。

 しかし、何十年ぶりなのだが、ほとんどの皆さんが中学校の時と同じ顔をしている。いや、ビックリだ。60代も後半になれば、老人の顔になるのだろうが……。

 昔を懐かしんでばかりいても進歩はないわけなのだけれど、別の地方の別の業界で活躍している級友たちを見ていると、少し離れた場所から自分の人生を見ることができる。仕事でぶつかる壁が、無意味に思えてくる。自由に生きられる空間に戻れたような気がする。そういう視点は、大切なのだろうと思う。

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 80年代前半は日本中のあちこちに「荒れた中学」があった時代で、私たちの中学校も例外ではなかったのだが、私たちの学年は女子のリーダーシップが強く、秩序が保たれていたのだと、担任の先生が語っていらした。なるほど、大人の目から見るとそういうことになるのか。

 同じ学年のうち、すでにこの世を去った者が6人いるらしい。うち3人は距離の近い関係にあったので、残念だ。そのうちの一人は生前、「中学校の時が一番楽しかった」と言っていたそうなのだが、それもわかる。体罰だらけだったし、服装の管理も厳しかったし、いじめもあったし、シンナーを吸ってる奴もいたし、本当にろくでもない空間だったのだが、でも精神の自由は失われてはいなかったのだろう。