京都におけるファンタスチカ

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 「ロシアにおけるファンタスチカ、ファンタスチカにおけるロシア」という研究会を京都大学で開催した。

 30人もの方々にお越しいただいた。AES+Fについて報告しながら、ソ連映画「楽天的な悲劇」(これは日本ではあまり知られていないが、ジェンダーや戦争に興味のある人は見ておいた方が良い)を参照した私のささやかな報告についても、生産的な議論をしていただいた。成功した会であったことは、間違いないだろう。

 先日の表象文化論学会でも感銘を受けたのだが、京都では人文研究の熱気が高まりつつあるように見える。名門大学は優秀な人材を全国から集めているし、日文研のように海外の研究者を呼び寄せる場所もある。

 今回の研究会では名古屋や東京からお越しいただいた方々もいらした。もともと京都という町は人の集まる観光地ではあるし、ロシア語での会というのも海外出身の研究者のためには敷居を下げる効果があったのだろうが、会場を提供していただいた京都大学中村唯史さんの構築してきたネットワークや人間的魅力も成功に大きく寄与しているはずで、改めて感謝しなければなるまい。

 しかし、人間力で競うわけにもいかないのだが、90~00年代のように札幌を盛り上げるにはどうしたらいいのかも、少し真剣に考えなければ……感心ばかりしてもいられない。

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