運命のいたずら

 朝の9時から夜10時すぎまで、ずっと仕事をしていた。授業を2コマやり、それから学生の課外活動のための文書を作った。本は昨日から1頁も読めずにいるのだが、とりあえず企画書のようなものはひとつ書けたので、小さな達成感はある。

 ただ、仕事に没頭しすぎて、娘のチーム練習の場所が変わったという連絡に気づかず、コーチに迷惑をかけてしまった。申し訳ない。

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 稚内を去る時に、もうサハリンと関わることはないのだろうなと思って、それまでお世話になったサハリン大のヴィクトル・イヴァノヴィチやエレーナ・アレクサンドロヴナにしんみりした別れの手紙を書いたのだけれど、それから2ヶ月しかたっていないのに、先月、札幌を訪問したヴィクトル・イヴァノヴィチと再会してしまった。もしかしたら、エレーナ・アレクサンドロヴナとも秋に会うかもしれない。

 事情を知らない人からすると、サハリン大の人たちを私が札幌に呼び寄せたように見えるかもしれないのだが、それはまったく違う。私はサハリンの人たちから遠ざかり、サハリンの人たちは私から遠ざかり、ところが、それぞれが向かった先が同じ札幌だったのである。友達と喧嘩別れして転職したのに、運命のいたずらで同じ職場で働くはめになってしまった、というような、ちょっと気まずい話なのである。

 間宮林蔵とかチェーホフの霊に、とりつかれているんじゃないかとも思う。まあ、何かの縁なのだろうから、サハリン大の人たちのために札幌でも頑張ってみよう。