新陽高校との連携授業

 札幌新陽高校は札幌大学と高大連携授業をしているのだが、その一環で「ロシア文学」についてのレクチャーを1コマ行うことになった。

 ロシアの高校生とも交流をしているようなので、まあ、オーソドックスな内容がいいだろうと、プーシキンドストエフスキートルストイチェーホフについて簡単に紹介をした。

 ただ、そんな一方通行の話ではつまらないので、アクティヴィティを2つ用意する。

 (1)「おおきなかぶ」をロシア語原文で朗読する。民話は文学の原点だからね。生徒は15人いたので5グループに分けて、おばあさん、孫娘、犬、猫、鼠と登場人物の増加につれて声を出す人が増えるようにしてみた。最後は教室の全員が声をそろえると、かぶが抜けるのである。

 (2)「アンナ・カレーニナ」ごっこ。アンナ、ヴロンスキー、カレーニン、キティ、リョーヴィンの5グループに分けて、翻訳のセリフを学芸会みたいに読んでみた。残念ながらアンナの自殺の場面は再現しませんでしたが……身も心もアンナになりきって、帰り道で自殺されたりしたら困るので。

 楽しんでもらえたかどうかは分からないのだけれど、「ロシア文学の魂」は参加者に注入されたと信じたい。

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 ところで、ロシア文学が日本で親しまれている例として、アニメ『屍者の帝国』にも触れてみたのだけれど、これは反応が薄かった。あれ、誰が見ているんだ?カラマーゾフフランケンシュタインリラダンに親しんでいる人なら主題の歴史性を理解できるだろうけれど、そうでなければただのゾンビ映画としか思えないだろうしな。