ケセラセラ

 先週から保険のセールスのおじさんが研究室にいらっしゃるのだけれど、人生観というか世界認識があまりにも違うので、ちょっと疲れた。いや、おじさんにも申し訳なく思う。
 「娘さんを中高一貫校に入れたいと思ったら、お金がかかりますよね」と言われても、無理して私学に入れようと思わないからなあ。30年後の介護の話をされても、そんな先には世界がイスラム国に征服されているかもしれないし、北朝鮮の核ミサイルで札幌が焦土になっているかもしれない。
 だいたい、明日の午前中は授業で革命詩(ブローク「12」とベールイ「キリストは甦りたまいぬ」)を読むのである。午後の授業ではトルストイ「セルギイ神父」を読んで、人生の終わりには放浪の旅に出よう、と思うはずなのである。そんな終末気分なのだから、型通りの生命保険の話をされても、心に響かないのである。本当に申し訳ない。