サナトリウム「レスノエ湖」

 「レスノエ湖」というサナトリウムに行った。2つの湖に挟まれた場所にある施設だが、札幌オリンピック用のトレーニング施設として1964年に作られたのが始まりだそうだ。

 出発前は「もう湖はいい」と愚痴をこぼしていた学生たちも、景観の美しさに圧倒され、大満足のようだった。本当に心安らげる場所だった。

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今村さんと伊藤さん

 今日の午後はユジノサハリンスク市役所と日本総領事館の2ヶ所に表敬訪問する学生たちの同行したのだが、市役所では稚内の今村さんや伊藤さんと偶然再会したのであった。

 稚内での経験がなければ、今回の学生引率はもっと大変なものになっていただろう。職場や住所を変えても、それまでの経験は財産になるし、過去の生活も続いていくのだろう。

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ソーネチカの黄金の手

 今日の午後はサハリン州郷土博物館とチェーホフサハリン島』博物館のはしご。2つの博物館で続けて通訳をするのは、なかなかハードだった。こういう仕事を毎日しているプロの通訳の方は本島にすごいなあと尊敬します。通訳というのは反射神経とか敏捷性が勝負なので、どんどん速くなる話者のスピードに対応できなかった時は長距離走で遅れていくランナーの気持ちになるし、聞き取りづらい話し方をする人が現れた時には別次元の強敵が現れたような絶望的な気分にさせられる。

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 勉強になったこともあって、「黄金の手ソーネチカ」(ソーネチカ・ゾロタヤ・ルーチカ)というサハリンに流刑にされた女詐欺師がロシアでは人気らしいのである。10年ほど前にテレビドラマになっているようなので、その影響もあるのだろう。

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こんにちは、サハリン

 何と日本の17大学から43名の学生が参加しているという、ちょっと信じられない規模のサハリン語学研修「こんにちは、サハリン」(そういう名前の研修であることを、会場に来て初めて知ったのだが、まあ、ロシアらしくはある)なのだが、サハリンはやはりサハリンのままなのである。

 昨日はトナイチャ湖とオホーツコエに行った。

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 今日は授業の後、徒歩で「山の空気」に登る。

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 サハリンは大都会ではないので、エクスカーションの中身も遠足のようになってしまうのだけれど、振り返ったら楽しい思い出だった、ということになればいいのだが……バスの中では留学中のKさんや私が早口のガイドさんの通訳を頼まれ、神経をすり減らしているのだが、日本各地から来た参加者にできるだけ快適な時間を提供したいという思いはたぶんKさんも同じだろう。

最初の夜から

 学生と一緒にサハリン大に来た。
 寮に荷物を置いた後の夜11時頃、スーパーに夕食を買いに行ったら、「助けて」(パマギーチェ)と叫んで夫から逃げてくる中年女性が。車を止めようと道路に走り出て、やがて路肩に倒れてしまったのだが、麻薬でもやっていたのだろうか? 彼女は心配して停まった車に無理矢理乗り込んで、去っていった。
 帰路には横断歩道で信号待ちをしていると、「規則は破ろう」(ナルシャーエム・プラーヴィラ)と我々に大声で語りかけながら、赤信号の横断歩道を渡ってくるおじさんが。海外旅行初体験の学生もいるというのに、やはりロシアは強烈だなあ。ロシアに何度も来ている私でも、こういう経験はあまりないのだが。
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楽天的悲劇

 8月5日の京大の研究会でAES+Fについて報告した時に言及した映画『楽天的悲劇』について、『北海道新聞』にコラムを執筆した。

 岩本和久「楽天的悲劇」『北海道新聞』2017年9月1日夕刊、4面。

 女性の政治将校が自分をレイプしようとする水兵を射殺し、部隊をまとめ上げていくという内容のスターリン期の戯曲を1963年に映画化したもの。

Оптимистическая трагедия - YouTube

 男性の暴力に屈しない女性の姿は、ロシアのアート集団AES+Fの共感を呼んでいるだけでなく、サンフランシスコの新作バレエにもなっている。

忙しいのにオーストラリア戦を

 急いで仕事を片付けなければならないので忙しいのだけれど、サッカーのワールドカップ予選のオーストリア戦を見てしまった。

 2-0でワールドカップ出場が決まったわけなのだが、初戦敗退だからもう無理だよと言われていた1年前が夢のようだ。

 以前と比べて、ボールが収まる選手、体を入れるのがうまい選手が増えたよね。本田も香川もいない日本代表でオーストラリアに勝利したというのは、新しい時代が始まっているんだなという気持ちにさせられる。